NDD方式とは?

NDD方式はリアルな取引、DD方式は取引ごっこのノミ行為

FXの証券会社は、通貨の取引の方法で「NDD方式」と「DD方式」の2つに分かれます。

  • NDD方式:インターバンクに直接、注文を流す、インターバンク直結型のFXの証券会社
  • DD方式(OTC方式):インターバンクに、注文は流さず、証券会社の中だけで通貨をまわす、インターバンク非直結型のFXの証券会社

「インターバンク」とは、世界の金融機関のみが参加できる、為替や手形を扱っている取引所のことです。インターバンクでは、100万通貨単位での取引が行われています。

NDD方式は、「No Dealing Desk(ノーディーリングデスク)」の略です。NDD方式のFXの会社の場合は、FXのトレーダーから注文が入ると、インターバンクに参加しているカバー先の銀行にお願いして、インターバンク市場の取引所に注文を入れます。取引所にきちんと取引を申し入れているため「取引所FX」と呼ばれたり「取引所取引」と呼ばれたりもします。

一方、DD方式は、「Dealing Des(ディーリングデスク)」の略です。「OTC方式」とも呼ばれており、「OTC」は、「Over The Counte(オーバーザカウンター)」の略です。

DD方式の場合は、FXのトレーダーから注文が入っても、インターバンクには注文を入れません。例えるなら、トレーダーとFXの会社との間で、取引ごっこをしているような形です。そのため、インターバンクの取引所とは関係なく、FX会社の店頭とお客さんのみで取引が完結しているので「店頭FX」「店頭取引」と呼ばれたりもします。

NDD方式はガラス張り、DD方式(OTC方式)はブラックボックス

NDD方式とDD方式の取引の透明性については、次のような特徴があります。

  • NDD方式:きちんとインターバンクに注文を入れているので、ごまかしがききにくい
  • DD方式:トレーダーとFX会社だけで取引しているので、FX会社にごまかされても、わかりにくい

NDD方式は、インターバンクにきちんと注文を入れているので、取引の流れもハッキリしており、ごまかしも効きにくいため、透明性が高いと言われています。また、NDD方式ならば、どこのFX口座も同じようにインターバンクに注文しているため、手数料の比較もしやすく、トレーダーにとってもわかりやすいです。

しかし、DD方式の場合は、FX会社というブラックボックスに包まれているため、他の人からは把握できず、FX会社によるごまかしが多いと言われてます。また、DD方式の場合は、トレーダーにとって不利で、FX会社にとって有利な約定が多いとも言われており、不透明なトレードになってしまいます。

NDD方式は寺銭で儲け、DD方式(OTC方式)はイカサマで儲ける

NDD方式とDD方式では、FX会社の利益を得る方法も違ってきます。次のように、利益を得る方法が違ってきます。

  • NDD方式のFX会社の収入:スプレッドによる手数料
  • DD方式のFX会社の収入:スプレッドによる手数料と、トレーダーの負け分

NDD方式の場合は、FX会社は場代の寺銭のような感じで利益を得ており、スプレッドによる手数料で儲けます。そのため、NDD方式の場合は、トレーダーにたくさんの通貨を取引してもらって場代を払ってもらわなければ、利益になりません。そのため、トレーダーが儲かってたくさん取引してもらうよう、コンテンツが充実しやすい傾向があります。

そのため、NDD方式は、トレーダーが儲かれば、NDD方式の会社も儲かるため、利害関係が一致します。

NDD方式の場合は、スプレッドが収益になるので、場代であるスプレッドは大きめですが、それでもなるべく場代であるスプレッドを小さくして、多く取引してもらうよう、変動性スプレッドのものがほとんどです。

一方、DD方式の場合は、FX会社が賭場の胴元であり、カジノのディーラーである一方、トレーダーは賭場の博徒(賭客)であり、カジノのプレイヤーです。そのため、FX会社の利益は、スプレッドによる手数料と、トレーダーの負け分になります。

そのため、DD方式の場合は、トレーダーが負ければ、DD方式の会社は儲かります。また、DD方式の場合は、トレーダーが勝てば、DD方式のFX会社は損をします。

以上のように、DD方式の場合は、トレーダーとFX会社の利害関係が位置せず、利益相反の関係になります。そのため、FX会社がこっそりと約定時の価格をごまかして、トレーダーに不利な約定になる場合もある、と言われています。

DD方式は、客が集まりやすいよう、取引ごっとこしているだけなので、本来は、スプレッドは存在しません。しかし、DD方式(OTC方式)の場合は、FX会社で適当にスプレッドを設定しています。そのため、お客さんに魅力的に見えるよう、DD方式のFX会社のスプレッドは、固定スプレッドのものが多く、スプレッドも非常に狭いです。DD方式のFX会社はスプレッドが狭いため、取引自体は、非常に安く行えます。しかし、FX会社に利益が出るよう、約定時にトレーダーが不利になることもあるため、つねに疑惑の目が向けられています。

NDD方式は海外FX会社、DD方式は国内FX会社

海外のFX口座のほとんどは、NDD方式です。一方、日本のFX口座のほとんどは、DD方式方式でした。

しかし最近は、日本のFX口座も、海外のFX口座に合わせてたNDD方式の口座が増えています。

日本のNDD方式で有名なFX口座は、次のFX口座です。チャートソフトであるMT4(メタトレード4)よりの発注にも対応しているFX口座には、★マークをつけています。

  • GMOクリック証券(くりっく365)
  • ヒロセ通商(LINO FX)
  • サクソバンク証券(アクティブトレーダーコース)★ MT4対応
  • 外為ファイネスト ★ MT4対応
  • JFX(MATRIX TRADER)★ MT4対応
  • デューカスコピー・ジャパン
  • FOREX EXCHANGE ★ MT4対応
  • EZインベスト証券 ★ MT4対応
  • OANDA JAPAN ★ MT4対応

世界で最も使われているチャートソフトであるMT4に対応しているFX業者は、NDD方式が多く、スキャルピングを許可しているところが多いので、覚えて置くといいかもしれません。実際、大手の海外FX口座も、MT4を使えるNDD方式の口座がほとんどです。

なお、「セントラル短資FX」の「ウルトラFX」はNDD方式方式でしたが、2018年4月27日(土)で終了となっています。

また、GMOクリック証券は「FXネオ」と「くりっく365」の2種類のFX口座がありますが、「FXネオ」はDD方式なので注意しましょう。しかし「くりっく365」は、スプレッドが大きいため、あまりスキャルピングには向きません。

MT4でデイトレードを行うなら、拡張機能であるEA(エキスパートアドバイザー)には、私も使っている「マーケティングFX」もおすすめです。

「マーケティングFX」の取引スタイルはデイトレードですが、売買サインが出たときだけチャートを確認すればよく、適切な注文量も自動で入力してくれるため、手軽にFXを続けることができます。

そのため、NDD方式でMT4を使える証券会社を使うなら、利確と損切も自動で行ってくれる「マーケティングFX」をチェックしておくのも、いいかもしれません。