仲値でFX

仲値によるFXは、比較的儲けやすいと言われている方法です。「仲値」は、「なかね」と呼び、次のようなものです。

  • 日本の平日10:00頃に公開される、その日の、日本円を銀行が両替するときのレート

「仲値」とは、正式には「公表仲値」や「電信仲値相場」といい、英語では「TTM(Telegraphic Transfer Middle Rate)」とも言います。

仲値を決めるときは、9:55頃の外国為替市場(インターバンク市場)のレートを元にして決め、10:00頃に発表されます。

9:55ピッタリの値を参考にすると決まっているわけではありませんが、銀行がレートを決める元になる9:55頃のドル円は、特徴的な動きになります。そのため、平日の10:00前後、FXのドル円の動きは、次のような傾向になりやすと言われています。

  • 10:00に向かって、ドル円のチャートは、右上上がりになりやすい
  • 10:00をすぎると、ドル円のチャートは、右下下がりになりやすい
  • 5と10のつく、5日・10日・15日・20日・25日・30日は、10:00に向かって右上がりになる傾向が、特にハッキリしている

5と10のつく日は、「ゴトー日」とも呼ばれ、「五円=ご縁」に関係あるということで、商売の人がゲン担ぎにする日なので、特に仲値の傾向が強くなるとも言われています。

仲値トレードとは

仲値トレードは、10:00の前後で特徴的な動きをするドル円の動きを利用して、FXでトレードする方法です。具体的には、次のように行います。

  • 9:00-9:30頃に、ドル円を買っておき、10:00頃の天井で売る
  • 10:00以降は、ドル円が下がるのを利用して、こまめにスキャルピング

「仲値トレード」は、非常に簡単で、初心者でも勝ちやすい方法だと言われていました。しかし実は、仲値の公表前後の値動きは、実はアノマリー(説明できないが起こる法則)ではないことが、投資情報紙の「ZAI」により証明されてしまいました。

仲値でFXに勝てるというのは、デマ?

ZAIでは、2012年1月から2017年9月19日までの6年弱の米ドル円のデータを元に、仲値の公表前後のデータを分析しています。

その結果、9:00~10:00と、10:00~11:00の値動きは、次のようになっていました。

  • 9:00~10:00に、右上になる確率は50.3%、右下になる確率は49.1%で、ほぼ五分五分
  • 9:00~10:00で5の倍数の日に、右上になる確率は50.7%、右下になる確率は48.6%で、ほぼ五分五分

  • 10:00~11:00に、右下になる確率は51.1%、右下になる確率は48.2%で、ほぼ五分五分
  • 10:00~11:00で5の倍数の日に、右下になる確率は54.2%、右下になる確率は45.8%で、ほぼ五分五分

つまり、9:00~10:00と、10:00~11:00の間では、右上になるか右下になるか、はっきりした傾向はない、ということが分かりました。一見、少し差がありそうですが、統計的には、ほぼ五分五分になります。

ただし、曜日別・日にち別に分けると、次のような傾向があることが、統計的に明らかになりました。

  • 月曜日の、9:00~10:00は、右上になる確率が44.6%、右下になる確率は55.4%で、右下になる傾向がある
  • 金曜日の、9:00~10:00は、右上になる確率が57.5%、右下になる確率は42.2%で、右上になる傾向がある

つまり、月曜日の9:00~10:00は、定説とは逆にチャートは右下に動きます。また、金曜日の9:00~10:00のみ、定説と同じように、チャートは右上に動くわけです。

一方、10:00~11:00の間は、曜日や5のつく倍数で分類しても、明確な傾向はありませんでした。

また、区切り時間を7:00~10:00にすると、さらに、次のような傾向も見つかりました。

  • 7:00~10:00なら、右上になる確率は52.8%、右下になる確率は46.8で、右上になる傾向がある
  • 5の倍数の、7:00~10:00は、右上になる確率は55.6%、右下になる確率は43.7%で、右上になる傾向がある
  • 金曜日の、7:00~10:00は、右上になる確率は61.6%、右下になる確率は38.1%で、右上になる傾向がある
  • 金曜日で5の倍数の日の、7:00~10:00は、右上になる確率は74.1%、右下になる確率は25.9%で、右上になる傾向がある

つまり、7:00~10:00の3時間という長い時間帯で見ると、右上にあがる傾向があり、特に、月曜・金曜・金曜で5の倍数の日が、右上になる傾向は、はっきりと見られました。

特に、金曜の7:00~10:00は、6割~7割の勝率なので、金曜の仲値3時間前に仕込んでおけば、勝てる確率は高いといえるかもしれません。

ちなみに、7:00~10:00までの、右上上がりの平均上昇幅は13.1銭(13.1pips)なので、指値にプラス13pips程度を指定して、逆指値と同時に指定するOCO注文を行えば、平日は忙しいサラリーマンの方でも、いい結果を得られるかもしれません。

仲値のFXは、月曜と金曜しか勝てないのか?

以上より、仲値トレードの場合、統計的には、仲値の3時間前の朝7:00から仕込む必要があり、月曜と金曜以外は、仕込んでもほぼ意味がない、という結論になります。

しかし、実際には、仲値トレードで勝っている人も多くいます。この、統計的な分析と、実際の事実の乖離には、損切が関係しているのかもしれません。

というのも、9:00から10:00までの間に、右上になる確率と、右下になる確率は、ほぼ五分五分ですが、変化なしの確率はたったの0.5%です。

また、9:00~10:00までの間に、右上になる確率と、右下になる確率も、ほぼ五分五分ですが、変化なしの確率は、たったの0.7%です。

そのため、プラス方向かマイナス方向の、どちらかに動くわけです。

また、9:00~10:00、8:00~12:00、10:00~11:00、10:00~12:00の平均的な値動きは、次のようになっています。

  • 9:00~10:00の平均上昇幅は10銭(10pips)、平均下落幅は9.8銭(9.8pips)
  • 8:00~10:00の平均上昇幅は11.7銭(11.7pips)、平均下落幅は11.8銭(11.8pips)
  • 10:00~11:00の平均上昇幅は9.2銭(9.2pips)、平均下落幅は9.2銭(9.2pips)
  • 10:00~12:00の平均上昇幅は11.2銭(11.2pips)、平均下落幅は12.8銭(12.8pips)

そのため、9:00~10:00と、10:00~11:00のそれぞれ1時間は、非常に値動きの大きい時間帯であると言えるでしょう。

この時間帯に、損切を5pips程度にして、スキャルピングの一般的な損切pipsにしておけば、損するときは5pipsだが、得するときは10pips前後という状況になります。

得なら10pips、損なら5pipsのトレードなら、リスクリワードは2:1になりますから、勝率33%でも、プラスマイナスゼロです。

そのため、きちんと損切できる方にとっては、仲値のFXは、優位性のあるトレードになると言えるかもしれません。

ただし、仲値トレードは、1日に10:00の前後2回程度しか、トレードチャンスがないため、もっと稼ぎたいという方には、仲値トレードだけでは満足できないかもしれません。

そんな、仲値トレードだけでは満足できない方にもおすすめなのが、デイトレードのシステムである「マーケティングFX」です。

「マーケティングFX」は、20通貨ペアをMT4が監視してくれ、売買サインにが出たときのみ注文するだけでよいため、拘束時間が少ないというメリットがあります。

また、最適な通貨単位数(ロット数)も、自動で計算して入力してくれるため、スピーディな取引を行うことができます。

そのため、取引チャンスをもっと多くして、稼ぐチャンスを増やしたい方は、「マーケティングFX」をチェックしておいても、いいかもしれません。