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FXのトレンドフォローのテクニカル
トレンドフォローのテクニカルの基本は、やはり「移動平均線」です。
なぜなら、トレンドフォローのテクニカル指標として有名な「ボリンジャーバンド」も、真ん中のミッドバンドは20期間移動平均線を使っていますし、シグマの計算にも、移動平均線と同じ終値を使っています。
また、オシレーター系指標だけでなくトレンド系指標としても使える「MACD」も、12期間移動平均線と26期間移動平均線を使います。
そのため、トレンドフォローのテクニカルを理解するためには、「移動平均線」を、まずは極めるのが一番です。
移動平均線は、ゴールデンクロスやデッドクロスの見方しか知らない方も多いかもしれません。しかし、移動平均線と為替レートの位置関係からは、投資家の情報も分かります。
例えば、10日間移動平均線で、上にローソク足(現在の為替レート)、下に10日間の移動平均線がある場合、次のようなことが分かります。
- ここ10日間で買った投資家は、平均して儲かっている
- 現在の投資家は、ここ10日間の平均売買コストより高くても、買っている
移動平均線の価格は、その期間中に、その通過ペアを売買した投資家たちの「平均売買コスト」です。そのため、10日間移動平均線よりローソク足が上にあれば、平均売買コストよりも現在の為替レートの方が高いので、買った人の多くが、含み益を抱えています。
もし、10日間移動平均線と、ローソク足との乖離が大きければ、それだけ、買った人の含み益は多いですから、近々、利確して、価格が下がる可能性もあるでしょう。
また、現在の為替レートが上にあるということは、10日間の平均売買コストより高くても、買っている人がいるということです。そのため、高名な経済学者であるジョン・メイナード・ケインズの名言である「投資は美人投票」という言葉に従えば、その通貨ペアは、非常に人気のある、美人の通貨ペアということになります。
では、次は、上にあった現在のローソク足が、10日間の移動平均線に近づいていっている場合、どのような投資家の情報が分かるでしょうか? 答えは、次の通りです。
- ここ10日間で買った投資家は、トータルで見ると勝っているが、一部、損し始めている人も出ている
- 現在の投資家は、ここ10日間の平均コストより高いので、一応、買っている人もいるが、前よりも、買う人は減った
このように、投資家の情報が見えてくると、価格が下がり始めたときに、「安くなってきたから」と逆張りすることが、どれほど危険なことか、なんとなくイメージできるかもしれません。
FXでトレンドフォローをしていく場合、移動平均線から分かるこのような投資家の情報は、すべてのテクニカル指標での理解を促進します。そのため、まずは、「移動平均線」から投資家の情報をイメージできるようになるまで、特訓しましょう。
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FXのトレンドフォローのインジケーターと時間帯
FXのトレンドフォローの、インジケーターと時間帯と通貨ペアは、次のように設定して、練習してみてください。
- インジケーター:5期間の移動平均線
- 時間帯:4時間足以上(4時間足・8時間足・日足・週足など)
- 通貨ペア:メジャーな通過ペアを5~20通貨ペア程度
移動平均線は、単純移動平均(SMA)でも、指数平滑移動平均(EMA)でも構いませんが、指数平滑移動平均(EMA)だと感度が良すぎてガタガタになるため、練習では、5SMAを使うのがいいでしょう。
時間帯は、トレンドフォローの練習の場合、4時間足以上で練習します。4時間足以上なら、経済指標や要人発言によるノイズの影響もほぼ関係なくなりますが、1時間足以下だと、ノイズが多くなってしまうため、トレンドフォローの練習をしにくくなります。
もしあなたが、最終的に、5分足や15分足でデイトレやスキャルピングしたい場合でも、まずは、4時間足以上の時間足で練習してください。長い時間足でトレンドフォローできるようになってから、だんだん、短い時間足に変えた方が、失敗による損失も少なくすみ、結果的に、早く稼ぐことができるようになります。
通貨ペアは、1つに絞ってしまうと、トレンドの弱いときは練習にならないため、メジャーな通貨のペアで5~20通貨ペアほど選び、たくさんのチャートを見るようにしましょう。
5期間の移動平均線を使ってトレンドフォローの練習をする場合は、次の基本に従ってトレードします。
- 為替レートが、移動平均線に下からぶつかり、はね返され反転下降:売り
- 為替レートが、移動平均線に下からぶつかり、上に抜けて継続上昇:買い
- 為替レートが、移動平均線に上からぶつかり、はね返され反転上昇:買い
- 為替レートが、移動平均線に上からぶつかり、下に抜けて継続下降:売り
なお、為替レートと移動平均線がぶつかる基準は、ヒゲを無視したローソク足の実体が、移動平均線と重なり、そのローソク足が確定したときです。また、為替レートの反発・抜けの基準は、ヒゲを無視したローソク足の実体全部が、移動平均線と重ならず、そのローソク足が確定したときです。
FXのトレンドフォローの練習に適したインジケーターと時間帯を使えば、早ければ1週間以内に、FXの成果となって現れきます。
なお、FXのトレンドフォローのインジケーターや時間帯を、もっとたくさん使いこなしたい方は、FXマニュアルを元にしてトレードするのもおすすめです。その中でも『マーケティングFX』は、5つのトレンド系インジケーターを用いてトレンドを把握しているため、一度、チェックしてみてもいいかもしれません。