FXのファーストブレイクとは?

 

ファーストブレイクのFXの手法とは?

「ファーストブレイク(FB)」は、ボブ・ボルマンによるFXのスキャルピングの手法です。ファーストブレイクとは、その名の通り、次のような手法です。

ファーストブレイク:トレンドの、一番初めの押し目で仕掛ける

一番初めにできた押し目で仕掛けるため「ファーストブレイク」という名前がつけられています。なお、「ファーストブレイク」には、前提条件として、次の3つの条件があります(p86、以下、ボブホルマンの『FXスキャルピング』のページ数)。

1.破裂的なトレンド:連続する陽線や陰線で、一気にトレンドを形成する
2.わかりやすいプルバック(戻し):連続する陰線や陽線で、一気に戻しを形成して、20EMA(20期間の指数平滑移動平均線)に向かう
3.最初のプルバック(戻し)のみ:シグナルは、トレンドの中で、一番初めにできた戻しのみ

爆発的にロウソク足でトレンドを形成し、爆発的に20EMA(20期間の指数平滑移動平均線)に向けての戻しを作ります。典型例の場合、戻しは爆発的なトレンドの40~60%分です(p84、p88)。そのため、下降トレンドの場合の「ファーストブレイク」のシグナルは「釣り針」の形になります(p85)。

また「ファーストブレイク」は、トレンドの初めにできたプルバック(戻し)のみでしか、仕掛けません。そのため、トレンドの2つめ以降のプルバック(戻し)は、どんなに良いセットアップ(条件)だったとしても、仕掛けません(p95、p105)。

「ファーストブレイク」は、一気に戻した後の反発の強さを利用して、一気に利益を確定する方法です。そのため利益は取りやすいですが、条件が厳しいため、教科書通りの「ファーストブレイク」のタイミングは、週に1~2回程度になります(p98)。

「ファーストブレイク」が見られやすいのは、経済指標の発表などのニュース速報に反応したトレーダーが起こす場合が多く、トレンドのスピードはスパイク的になります(p84、p93、p94)。

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ファーストブレイクのFXのシグナルと仕掛けのタイミング

上昇トレンドの「ファーストブレイク」の場合、仕掛けは、次のようになります。

.陽線が連続し、高値がどんどん更新されるような急激な上昇トレンドができる
.上昇後、20EMAへ向けて、陰線が連続し、安値がどんどん更新されるような、1回目の急激な戻し ※ シグナル
.再び反転し、前回の安値を超える値をつける ※ 仕掛け
.ストップ(損切ラインの逆指値)は、シグナル足が抜かれた方向とは逆に1pips離す(p102) ※ 手仕舞い

下降トレンドの「ファーストブレイク」の場合、仕掛けは、次のようになります。

.陰線が連続し、安値がどんどん更新されるような急激な下降トレンドができる
.下降後、20EMAへ向けて、陽線が連続し、高値がどんどん更新されるような、1回目の急激な戻し ※ シグナル
.再び反転し、前回の高値を超える値をつける ※ 仕掛け
.ストップ(損切ラインの逆指値)は、シグナル足が抜かれた方向とは逆に1pips離す(p102) ※ 手仕舞い

なお、仕掛けは、戻しの後の始値で高値(安値)を更新した瞬間なので、次の2つのパターンがあります(p90)。

.前回の安値(高値)を超える始値をつける
.前回の安値(高値)を超えるロウソク足の実体が出る

ファーストブレイクの場合は、2本めのロウソク足を待ったりはせず、すぐに仕掛けます。ボブ・ボルマンの手法の場合は、1回1回の負けはそれほど気にせず、トータルで勝ちをとっていくFXのスキャルピングスタイルなので、迷いは禁物です。

なお、初めの仕掛けの後2~3本してからまたファーストブレイクの仕掛けのタイミングが出た場合は、仕掛けることも可能ですが、本当にタイミングを逃してしまったら、価格を追いかけるのは厳禁です(p93)。

ストップ(損切ラインの逆指値)は、ファーストブレイクの場合は1pipsしか離す必要はありませんが、トレンドの形成や戻しがゆるやかな場合は、余裕を持って、少し多めにストップラインをとっておくこともあります(p102)。ただし、最終的なストップラインが10pipsなのには、変わりありません(p86、p97)。

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ファーストブレイクのFXの手法と20EMAへのタッチ

ボブ・ボルマンの「ダブル同時線ブレイク」の場合は、20EMA(20期間の指数平滑移動平均線)に接触するか、超える必要があります。しかし「ファーストブレイク(FB)」と20EMAの関係は次のようになります。

ファーストブレイクの場合は、20EMAと接触しなくてもOK

ファーストブレイクの場合は、スパイクと呼ばれる急激なトレンド形成があるため、ロウソク足20本分の平均線(20EMA)が、トレンドの強さに追いつけないことが多々あります。そのため、ファーストブレイクの場合は、20EMAに接触しておらず、離れていてもOKです(p93)。

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ファーストブレイクに見られるプライスアクション(損切ラインの逆指値)

ファーストブレイクのプライスアクションには、次のような流れがあります。

.ブレイクアウト前の緊張(ビルドアップ)がある(p88)
.トレンド派が仕掛けて、一気にトレンド形成
.天井でトレンド派が手仕舞いし、カウタートレンド派が仕掛け、一気にプルバック(戻し)を形成
.戻しの底で、カウンタートレンド派が一気に手仕舞いし、トレンド派が仕掛け、ファーストブレイクを形成(p102)

ファーストブレイク後の動きも急なため、仕掛けの速さが大切です。

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ファーストブレイクを1秒足で見るときの問題点

ボブ・ボルマンの手法の場合は、「時間足」ではなく「ティックチャート」を用いて、「ファーストブレイク」のタイミングを図ります。「時間足」と「ティックチャート」は、次のように異なります。

時間足:1分足、5分足など、分をベースにする。通常は1分足が最小。
ティックチャート:価格の提示(ティック)の回数をベースにする。70ティックチャートなら、価格の提示70回で足1本。

ボブ・ボルマンの手法は、「70ティックチャート」をベースにしていますが、ほとんどのスキャルパーは「1分足」をベースにしています。通常の場合は、「ティックチャート」と「1分足」の形は、それほど大きく変わりません。しかし、ボラティリティの大きい相場だと、「ティックチャート」と「1分足」の形は、かなり異なります。

特に、ファーストブレイクが起きるようなボラティリティの大きい場面だと、ティックチャートの場合は、次のようなスピードでロウソク足が形成されます。

ファーストブレイクが起きたときのティックチャート:通常の約13倍の速さでロウソク足が作られることもある(p94)

そのため、大きなニュースがあっても、「ティックチャート」なら、トレンドを追うことができます。しかし、大きなニュースの後のチャートを「1分足」で見ても、ティックチャート13本分の足ですから、ただの長い陽線1本や、陰線1本にしか見えません。そのため、本来、スキャルピングの場合は、経済指標が出るときは静観するしかない場合が多いわけです。

もし、1分足をベースにして、ボラティリティの大きい場面でトレードする場合は、プライスアクションも考慮しながら、ティックの流れも追いつつ、トレードするといいかもしれません。チャートソフトのMT4の場合は、「気配値表示 > ティックチャート」で、ティックの折れ線グラフを少しだけ見ることもできます。

なお、ボブ・ボルマンの手法では「OCO注文(指値・逆指値同時注文)」で損失管理をしますが、チャートソフトのMT4には、指定pipsでのOCO注文のシステムがないため、困っている方もいるかもしれません。

そんな方におすすめなのが、OCO注文のシステムも備えた「マーケティングFX」です。「マーケティングFX」は、本来はライントレードでデイトレードするためのMT4用の拡張ツールです。しかし、OCO注文の機能も備えているため、注文機能だけをスキャルピングで利用することも可能です。

そのため、MT4で便利にトレードしたい方は、「マーケティングFX」をチェックしておいても、いいかもしれません。

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