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70ティックチャートとは?
70ティックチャートとは、『FXスキャルピング』というボブ・ホルマンの著作で紹介されているチャートです。
ボブ・ボルマンの紹介している70ティックチャートは、スキャルピング用のチャートで、普通の1分足とは次のように異なります。
1.ロウソク足1本は、ティックが70回分 2.1メモリ1pips 3.テクニカル指標は、ティック70回分で1本の価格を元にした20EMA(20期間の指数平滑移動平均線) |
まず、独特なのが、ロウソク足1本分は、1秒や5秒などの時間を区切りにしたものではなく、「ティック」の回数を基準にしています。「ティック」とは、次のようなものです。
ティック:FX会社が提示するレート |
取引が1回行われるごとにティックが変化するため、70ティックというのは、次のような意味になります。
70ティック:証券会社が提示したレート70回分でロウソク足を作る |
70回取引されるごとに足が形成されますから、70ティックチャートは、純粋に値動きのみを追求する、ストイックなチャートであると言えます。
なお、70ティックチャートの場合は、1分の間に何本もロウソク足が作られることもあれば、あまり作られないこともあります。特に、大きな経済指標が発表されたときは、ティックチャートはどんどん動きますから、市場への参加者がどの程度いるかよく分かり、ボラティリティの変化がリアルに感じられます。70ティックチャートの場合、次のように捉えることもできます。
1本の70ティックで60秒以上:かなり変化に乏しい 1本の70ティックで30秒以上:スキャルピングしやすい 1本の70ティックで20秒以上:かなりスキャルピングしやすい |
また、ボブ・ホルマンの「70ティックチャート」では、ロウソク足の1メモリが1pips(クロス円なら0.01の値動き、クロス円以外なら0.0001の値動き)になります。
通常のチャート:0.1pips単位で動く 70ティックチャート:1pips単位で動く |
そのため、70ティックチャートの場合は、値動きがやや大雑把になります。しかし、値動きが大雑把な分、ロウソク足の長さか同じかどうかを、直感的に把握しやすくなります。
そして、70ティックチャートで使うテクニカル指標は、基本的に、次のテクニカル指標のみです。
使うテクニカル指標:20EMA(20期間の指数平滑移動平均線)のみ |
日本では、一般的にSMA(単純移動平均線)が使われますが、海外ではEMA(指数平滑移動平均線)がよく使われ、次のような特徴があります。
SMA(単純移動平均線):期間の価格を、単純に、平均にしたもの。ダマシは少ないが、トレンドの変化に鈍い。 EMA(指数平滑移動平均線):前日の価格の影響が一番強くなるようにして、価格を平均にしたもの。ダマシは多めだが、トレンドの変化に敏感。 |
70ティックチャートによるトレードは、20EMAのみで判断する、非常に硬派なスキャルピング方法です。同じようにEMA(指数平滑移動平均線)を用いた有名なテクニカル指標としては、MACDがあります。
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70ティックチャートを表示できるFX口座とは?
70ティックチャートは、70回の提示価格を元に作るため、次の2つの条件を備えていなければいけません。
ティックデータを提供している:FX会社が提示価格のデータをリアルタイムに提供している ティックデータをロウソク足として表示できる:FX業者がデータをロウソク足として表示できるチャートソフトを提供している |
例えば「ヒロセ通商(LION FX)」もTickチャートは表示できますが、Tickチャートをロウソク足で表示できません。そのため、ロウソク足で表示できるチャートソフトは、限られてきます。
ティックチャートは、やや特殊なチャートなので、70ティックチャートで表示したい場合は、探さなければいけません。なお、他に特殊なチャートとしては、「練行足(練り足、ねりあし)」や「ポイントアンドフィギュア」や「カギ足(値幅足)」などもありますが、「ティックチャート」は、特殊チャートの中ではメジャーな部類なので、探せば、それなりに見つかります。
初期状態のまま、70ティックチャートのロウソク足を表示できるチャートソフトには、次のような5つの種類があります。
1.本家の70ティックチャート: ボブホルマンも使用している、英語版の「ProRealTime」(有料) https://www.prorealtime.com/en/ 47通貨ペアのデータも含めて、月45.19ドル 2.本家の70ティックチャートの証券会社提供の英語版: 3.本家の70ティックチャートの証券会社提供の日本語版: 4.70ティックチャートを表示できる国内FX会社の独自チャート: 5.70ティックチャートを表示れきる国内FX会社のMT4チャート: |
以上の5つの方法の他にも、「NinjaTrader」などのチャートソフトに有料データを使い、ティックチャートを表示する方法などがあります。「有料」という場合は、証券会社に口座を作ったとしても、別途、チャートソフトの利用料でお金がかかる、という意味です。
なお、MT4でティックチャートを作る場合、MT4はティックデータを提供していないため、MT4の起動後に拾えるティックデータでロウソク足を作ります。そのため、MT4でティックチャートを表示する場合は、MT4を起動後、数分間、放っておく必要があります。
上記の5つの方法なら、どれも、ティックチャートの20EMA(20期間の指数平滑移動平均線)も表示できます。
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70ティックチャートを表示するときの問題点とは?
5つの方法で、70ティックでのティックチャートを表示することはできます。ただし、問題が1つだけあります。
それは、1pips単位でロウソク足を表示できるチャートソフトは、「1.本家の70ティックチャート」しかない、という問題です。
今の時代、チャートソフトは、0.1pips単位の表示が常識で、pipsの目盛りの表示方法を変更することもできません。そのため、もしボブ・ボルマンの70ティックチャートをそのまま試したいという方は、本家の「ProRealTime」を使うのがいいかもしれません。
なお、ボブ・ボルマンの手法では、注文時に、次のようなルールもあります。
OCO注文をする:利益確定用の指値10pips・損切用の逆指値10pipsを同時に入れて注文する 損失は1%まで:1回のトレードでの損失は、資金の1%まで |
しかし、ワンクリックでOCO注文をできたり、損失を計算してロット数を調整してくれるチャートソフトは、ほとんどありません。
そんな方におすすめなのが「マーケティングFX」の注文システムを流用する方法です。「マーティングFX」はMT4用の拡張ツールで、次のように便利な、注文システムを備えています。
指値・逆指値の調整:pipsの値を、それぞれ指定可能 スプレッド分の損失:逆指値のpipsに自動組込可能(スプレッド分も含めて損失10pipsに指定、など) 1回のトレードでロット数の調整:指定したpipsで損失が1%以内になるようロット数を調整 指値・逆指値のOCO注文:ワンクリックで指定可能 |
そのため、「マーケティングFX」の注文機能だけを残し、スキャルピング用のMT4を作ることで、さらに、ボブ・ボルマンの手法をリアルに再現することも可能です。実際、私もスキャルピングをするときは、「マーケティングFX」の注文システムのみを流用しています。
また「マーケティングFX」は、ライントレードによるデイトレードなので、余裕を持ってトレードすることができます。そのため、スキャルピングの合間に、デイトレードで副収入を得ることも可能なので、一度、「マーケティングFX」をチェックしておいてもいいかもしれません。